仕事の こと

放送作家って、どんな仕事?

放送作家として、出世することもなく、
ギリギリでいつも生きていたいから、
というわけでもないのに、
ギリギリでなんとなく仕事を続け、
気付けば、15年以上がたった…。

ちょっと前に書いた記事、
『わたしが、放送作家になるまで…』の中で、
わたしは…

『それでも、この日から、「放送作家」と
名乗っていい、と思えるようになりました。』

と、どや顔的なことを書いたけれども、
よくよく考えたら、
思えるようになっただけだった。

(だから、ウソは書いていない)

いまだ、娘の保育園のお母さんたちに、
職業を聞かれると、うまく答えられず、

「パソコン作業です。」
「あ―、そうなんですか!」

(以下無言)

「放送業界の裏方の地味な仕事です。」
「え―!!ADさんとか?」
「いや、もう、一日パソコンに
向かっているような地味な仕事で…。」

(以下無言)

もちろん、会話が弾むわけもなく、
保育園のお母さんたちからは、たぶん
「なんて、絡みずらい人だ…」と、
思われていることだろう。

致し方ない。

それでも、たまに、
保育園のお母さんたちに誘われると、
断る理由も、断る勇気もなく、
保育園帰りに、ファミレスに行ったりする。

娘が喜んでいるから、いいことなんだと思う、

という、果てしないたわごとはさておき、
「放送作家って、どんな仕事?」
と、とてもよく聞かれる。

その程度の仕事なんだと思う。

いや、その程度の仕事、というか、
どんな仕事?と聞かれて、
簡単に説明できる仕事なんて、
たぶん世の中には、ほとんどなくて、

学校の先生だって、授業以外に、
交通費の清算とか、
目に見えない仕事がたくさんあるだろうし、

アイドルだって、
ニコニコだけしていればいいわけもなく、
交通費の清算とか、
目に見えない仕事が、たくさんある。

いや、わたし程度だと、その程度であり、
放送作家と呼ばれる方々の中には、
すっげ―天才が、たくさんいて、
「会議でおもしろいと思ったことを
言ってるだけの仕事だよ!」
な―んて人も、いるのだと思う。

「放送作家って、どんな仕事?」
職業を聞かれただけで、
ドッキドキしてしまうわたしが、
そんなの、即答できるわけもなく、
たいていは、口ごもってしまう。

おい。
あの頃の「根拠のない自信」どこへ行った?

『わたしが、放送作家になるまで…』参照

だけど、敢えて一言で答えるなら、
『番組の企画を考え、
その台本を書く仕事』だと思う。

テレビにおける放送作家の仕事は、
会議で、いかに的を射た発言するか?
いかに、おもしろい企画を考えられるか?
あとは、
VTRに合わせてナレーションを書いたり、
スタジオの進行台本を書いたり。

ラジオにおける放送作家の仕事は、
企画を考え、台本を書き、
スタジオ(ブース)に一緒に入って、
突っ込んだり、笑ったり、
パーソナリティーが泣きそうな時は、
さらに畳みかけるようなカンペを見せて、
泣かせにかかったり…。

もちろん、その他にも、
細かい仕事はたくさんあるけれど、
主に、そんな感じだと思う。

が、しかし!
放送業界の末端にいる、
わたしのような作家は、もはやなんでも屋だ!

きょうは、人手が足りないからと言われたら、
効果音(SEとか、ATとか言われるやつ)を、
その場でサンプラーと呼ばれる
機械を押して出す役をやることもある…。

が、しかし!
もちろん本業の音響さんではないので、
生放送だというのに、ちょいちょい間違える。

本番前のカメラリハーサルで、
演者さんの代わりに、
演者さんが言いそうなことを言ったり、
演者さんがやりそうな動きをしてみたり。

あとは、番組で必要な小道具を、
切ったり貼ったり煮たり焼いたりして、
せっせと用意したり、

本番後は、セットに使った風船を、
バンバン割ったり!!

※風船を割る作業が、好きすぎる

 

※煮たり焼いたりというのは、言葉通りの意味で、
ある年の年末は、番組用におせちを作った
年越しの瞬間は、ひとり給湯室だった

インターネットで、
なんでも調べられる時代かと思いきや、
そういうわけにもいかず、
必要な資料を探すために、
大宅文庫や、国会図書館に行ったりもする。

もしかしたら、本来は、
音響さんがやること、ADさんがやること、
放送作家と似ているようで違う、
リサーチャーさんがやることだってやる。

放送業界でも、
予算削減が、声高に叫ばれている今、
わたしは、そういう風にして、
なんとか、放送作家をやっている。

今から10年くらい前に、
知り合いから、放送作家になりたいという
男の子を紹介された。

その男の子は、
1カ月もたたないうちに、
“放送作家見習い”を辞めてしまった…。

彼が辞めてしまった理由は、
「想像していた、
放送作家の仕事と違ったから!」で、
放送作家の見習いとしてついた相手が、
わたしではなく、誰もが知っている!?
あの!放送作家さんだったら、
彼の人生は変わっていたのかもしれない。

わたしのような、ノミのような作家と
知り合ってしまったがために、
彼の人生は変わってしまったのかもしれない。

あ、ちょっと待て…いま気付いた。
ギリギリとか首の皮一枚とかノミとか書きすぎて、
これ、もはや、マイナスプロモーションなんじゃ…。


あの、一応、台本書けます。しめきりもちゃんと守る方です。
今まで、わりといろいろな種類の仕事をやらせていただきました。
お仕事の依頼も、ぜひよろしくお願いします!(本気)

だけど、わたしは、そんな
本来なら、放送作家がやることではない、
かもしれない仕事を、嫌だと思ったことが、
一度もない。たぶん、一度もない。

ちょっとめんどうくさいな、
と思ったことはある。

わたしが働いているのは、
大人が本気を出して楽しむ場所だと思っている。

バーベキューだって
スイカ割りだって
覚めたしぐさで熱く見るのは、
なかなか難しい話で、
冷めた目つきで見たら、そりゃあもう、
いくらでも突っ込みどころはあるけれど、
周りの目を気にせず、
本気を出して楽しんでしまえば、
それはそれで、楽しい。

ディレクターと2人、会議室にこもり、
企画を考えていたときのこと。
キスの音だけで、誰のキスの音かを
当てるクイズはどうだ?という話になり、
ためしにやってみよう
と、
そのディレクターのキスの音を聞き続け、
ホントこれ、何の時間だよ!とか。

ロケ先で使うコオロギを
局に忘れてきてしまったとの連絡をうけ、
バイク便を呼んで、
バイク便のお兄さんに、
コオロギを入れた、
スーパーのビニール袋を手渡したんだけど、
中身を聞かれ、さすがに正直に言えず、
「食べ物です」と、
まあ、実際にトカゲにあげる食べ物だし!と
答えたり!だとか。

今から10年以上前、
たまたま会議室が空いてなくて、
みんな(15人くらい)で、
ビルの屋上で会議をしたことがあった…。

どんな状況だよ!という突っ込みは抜きにして
その日に限って、
ミニスカートを履いてきてしまった、
当時23歳のわたしの股間に、
ちょうどいい感じに夕陽が射して、
それを見た先輩作家さんが、
「りんちゃんの股間に後光が射している」と。

これは、わたしの人生の中で、
とても、輝かしい思い出だと思う…。

なんでもかんでも“ハラ”で片付けるより、
許せるレベルなら、
楽しんでしまった方がいい。

※許せるレベルは人それぞれ
※許せないレベルに達した時は、それは法的手段でも、なんでも…。

気付けば、わたしは、
飽きることなく、
“人生で1番長く続けていること”が、
放送作家という仕事になった。

人間、女性、A型、いて座であること、
影響を受けやすいこと、
性根がださいこと、
腹筋を1回もできないこと、の次に、
“人生で1番長く続けていること”が、
おそらく、放送作家という仕事で、
可能なら、あと10年くらいは、
この仕事を続けていたい。と思っている。

才能もねえ、人望もねえ、だけど、
テレビもあるし、ラジオもあるし、
インターネット番組もあるし、
チャンネルは、どんどん増えていくし、
あと10年くらいは、
この仕事を続けていたい。と思っている。

だけど、お金持ちになれるのは、
一部の天才だけ、だからね!!

あと、娘が
放送作家になりたいと言い出したら、
全力で止めはしないものの、
半笑いで、「ホント?」って、
半笑いで、1日1回、
365日聞き続けるかもしれないけどね!!

【まとめ】
放送作家って、どんな仕事?
→仕事の内容も、収入も、たぶん人それぞれ。